コラム

さくらんぼ教室だより(代表)

2020.02.01

「わからない」がわかる? ~心理的疑似体験、やってみました~ 🍒教室だより2020年2月号

■道路に落ちていた1枚のポストイット。「もっとれんしゅうをしましょう。みんなもう覚えていますよ。がんばれ、〇〇くん!」という内容の鉛筆書きのメッセージ。学校の先生がノートに貼ってくれたメモを、下校中に落としていったのかな。この達筆、小学校のベテランの先生? 「みんなもう覚えている」のは50音か、九九か・・・。「がんばれ」という先生の応援が「〇〇くん」にはちょっとプレッシャーだったりして・・・など、職業柄、ついつい想像を膨らませてしまいました。

■「LD・ADHD等の心理的疑似体験プログラム」(一般社団法人日本LD学会、一般社団法人特別支援教育資格認定協会)は、「読む」「書く」「計算する」「聞く」「話す」「不器用」などの領域に苦手さをもつ子どもたちが学校の授業中などに感じやすい焦り、苛立ち、不安などを、指導・支援者が疑似的に体験して子どもへの理解を深めることを目的としたプログラム。詳細は公開されませんが、参加者はいくつかのワークを通して「わからない」モヤモヤを体験し、「子どもたちが日常生活の中で長時間抱いているかもしれない」感覚を味わうことができます。さくらんぼ教室でもスタッフ研修で実施し、日頃の指導や声かけについて考えるきっかけとしてきました。先月、弊社インターンシップで学生さんたちに実施してみたところ、大好評。「先生の励ましを負担に感じることもある」「子どもたちが自信を失いやすい理由がわかった」等、様々な声があがりました。このプログラムを、今月1日(立川市)・15日(中野区)の東京都教育委員会「発達障害教育シンポジウム」の中で、委託事業部・上田が参加者対象に実施します。「子ども理解」につながる一助となりますように。また2500人が学ぶさくらんぼ教室として、教室を必要とする子どもたちの得意・苦手、学びやすさ、わかりにくさ、そして頑張りを「見える化」して共有したり伝えたりすることができないだろうか・・・30周年を節目に検討中です。

■特別支援学校、高等学校、専門学校、大学に合格されたみなさん、おめでとうございます。先月の千葉エリア特別支援学校「受験報告会」では87人の生徒さん・保護者の方から「努力・継続する大切さを学んだ」「面接練習を通して自分の思いを伝えられるようになった」など嬉しい声をいただきました。合格の喜びも、雪辱も、生徒さんと共に味わった1月。受験は今月、来月とまだ続きます。みなさんの健闘を心から応援します!

                                                     (伊庭 葉子)

「ちゃんと読んで」「早く読んで」って言われてもね・・・🐕