コラム

さくらんぼ教室だより(代表)

2021.07.01

僕らの世界を旅してほしい。🍒教室だより2021-07月号

●「言いたいことが言えない生活が想像できますか?」

映画『THE  REASON  I  JUMP』(ジェリー・ロスウェル監督)は、私たちに問いかけます。東田直樹さん(当時13歳)が自閉症の世界を表現したエッセイで世界的なベストセラー『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』(エスコアール、角川文庫)をもとにした、ドキュメンタリー映画(英)。

会話はしないけれど日常生活を切り取って鮮やかに描くアーティストのアムリット(インド)、音や光を愛し「制御不能のスライドショーのような記憶」を行き来するジョス(イギリス)、文字盤で意思を伝え合うことで初めての友達を得たベンとエマ(アメリカ)、偏見が根強い地域で「大好き」に囲まれ朗らかに生きるジェスティナ(アフリカ・シエラレオネ)の5人の若者の心の世界。「(以前は)正しい母親であろうとするあまり、あの子の個性を見ていなかった」とアムリットのお母さん。「見かけだけで判断しないで」「見えるものはみんなと同じでも、それをどう受け取るのかが違う」・・・東田さんの言葉と美しい映像によって自閉症の豊かな世界に誘われる、とても印象深い作品でした。

●来春、新しい都立高校「足立地区チャレンジスクール(仮称)」が開校します。

不登校などの理由により十分に学べなかった生徒を対象に都が設置する「チャレンジスクール」のひとつ。少人数(30人)クラス、検定やボランティアも単位として認定される柔軟な制度、プレゼンや課題研究で「総合的な学力」を身に付けていく学校、とのこと。「進化するチャレンジスクール」とは? 今月、説明会に参加予定です。

●受験対策クラスのみなさんが目指す特別支援学校の説明会も始まりました。私は先日、都立水元小合学園・就業技術科へ。開校から7年、豊かな自然の中で専門性の高い職業教育を実践する学園。さくらんぼ教室で頑張った新入生20人、その先輩方が活躍している様子に感激。特別に肢体不自由部門も見学させていただき、特別支援教育の魅力と多様性を感じてきました。

●「通常」「フツウ」のクラスや学校? 特別支援学級・学校? さくらんぼ教室のみなさんの進路や仕事、生き方は、人それぞれ。その子らしさを大切に。「自分を好きになれるのなら、普通でも自閉症でもどちらでもいいのです(東田直樹さん)」

(代表 伊庭葉子)

 

日々の感染防止対策へのご協力をありがとうございます。さくらんぼ教室スタッフから「ワクチン接種の日が決まりました」という声も。収束を願いながら、あと一息頑張っていかねばと思います。各教室で工夫しながら効果的な学習ができるよう取り組んで参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。