コラム

さくらんぼ教室だより(代表)

2019.11.01

自立に続く道~20年の学び~ 🍒教室だより2019-11月号

●毎年恒例、20年&10年継続の先輩23人の表彰式は、各教室のメンバーに囲まれて温かく行われました。継続20年の北原さん(33才)は、アンケートの「通ってよかったこと」に「字が書けるようになってよかった」と答えてくれました。彼がゆっくり一字ずつ平仮名を指してことばを伝え「文字が読める」ことを教えてくれ、感激したことを覚えています。斎藤さん(28歳)は、お母様の自転車の前カゴに(後ろはご兄弟)乗って通っていました。お母様から連絡シートに「初めて『おかあさん』と抱きついてきて嬉しかった」と報告があったのは遠い昔、今は市民ミュージカルでも活躍中です。Mさん(23才)は保育園時代から。「わからない」ことに不安になって泣いたり怒ったりしたことも、今では懐かしい思い出。一人で計算ができるようになって、今でも毎週の学習を楽しみにしてくれています。皆様、ありがとうございました。

●就労をめざす高等特別支援学校の先駆けともいえる千葉県立特別支援学校流山高等学園。歴史ある同校の在校生・卒業生の保護者の会「親の会KOYOクラブ」さんも創立20周年とのこと、おめでとうございます! 先月、記念講演会「親なきあとの生活デザイン設計」(講師:綿祐二先生/日本福祉大学)に伺わせていただきました。綿先生は20歳から福祉に携わり、現在も大学勤務の傍ら都内27福祉施設を経営も、0歳~88歳までの支援に携わっておられるパイオニア。「8050」問題は切実な課題ですが、綿先生のお話は「子どもは自分のものではなく、『障害者』としてでもなく、一人の人としてとらえる」「親が支援者になってはダメで、応援者であるべき」「(親子の)共依存から脱皮し、期限を決めて25歳までには家族から離すことを考えて」など、「そうは言ってもついつい・・・」という親心をびしっと刺激するアドバイスの連続。自立に向けて親が考えるべきは「日中活動・居住・後見」の三つで、その具体的なノウハウ(例えばグループホーム)についても詳しい解説があり、大変力強く有意義なお話でした。さくらんぼ教室でもグループホームで一人暮らしを始める先輩は少しずつ増えています。今月16日の社会人研修旅行(静岡県三島)は、皆さん一人ひとりの自立と幸せを考えるきっかけでもあり、今から楽しみです。        

119-10日は日本LD学会第28回大会に参加します!

 自主シンポジウム「民間支援機関が担う役割と青年期の課題」(伊庭・赤塚)

 ポスター発表「高校生を対象とした『ソーシャル・スキル授業』の成果と課題」(濱野・上田)

●日本教育新聞(1028日付)で、さくらんぼ教室の学校連携の在り方と、教育庁委託事業「コミュニケーションアシスト講座」の取り組みが紹介されました。